大失態だ、2号の援助もろくに出来なかった上にクモ男を逃すなんて。
軽く欝に入りながらも、ボディーブローを喰らった2号を支えながら歩く。

「この辺でちょっと休もうか」

丁度いい感じのベンチに2号を座らせて、俺もその隣に座った。
2号の顔を見ると、遅れたことの罪悪感が重くなった。

「悪い、遅くなって・・・」
「いいって」

ふぅ、と2号が溜息を吐く。少しは回復しているみたいだった。
よかった・・・と思う反面、罪悪感は消えることはなく。

「なぁ、そんなに気を重くするなよ」
「うん・・・」
「おいおい、こんなことで他人行儀になるくらいな仲だったっけか?」

笑いながらそういう2号に、いつまでも暗いままじゃ駄目だよな。
ということで、綺麗さっぱりとまではいかないまでもこのことは気にしないことにする。

「あ、そうだ」
「どうした」
「お金、貸してくれないかな」
「おいおい、いきなり切り替えかよ。まぁ、いいけどさ・・・」

2号は苦笑しながら財布を取り出した。
なんだよ、お前が「気にするな」って言ったんじゃないか。
だが、これが俺たちの姿だ。

「悪いな」
「だから気にするなって。働く暇がないからな、お前」

そう言って万札2枚を渡された。
万札なんて見たのは何ヶ月ぶりだろうか。いや、何年ぶり?
そういえば、なんで2号は羽振りがいいんだろう。
ああ、そうか。フリーのカメラマンだったんだっけ。

「なぁ、そんなにカメラマンって儲かるのか?」

ちょっと尋ねてみると、2号はちょっと嬉しそうな表情をして語った。

「そうだな。やっぱり怪人の写真がいい値がつくんだよ。それに俺、カメラ好きだしさ・・・」

そうか、趣味の延長線上で仕事をしているから長続きもするんだな。
フリーのカメラマンってことはあまり拘束もされないんだろう。

「よかったら、仕事紹介しようか?」

俺の考えてることが筒抜けだったのだろうか、
2号がそう言ってくれたが俺の頭の中は明日の会社の面接で頭がいっぱいだった。

「いや、いいよ。明日、会社の面接あるからさ」
「そっか、じゃあ必要になったら相談に乗るから。いつでも電話ちょうだいよ」
「わかった。ありがとう」
「じゃ、大分痛みも引いたしそろそろ帰るわ。あ、パチンコは程々にしておけよ」

2号は本当にいいやつだ。
遠目になっていくその姿を見届ける。さて、俺もそろそろ帰らなければ。
ああ、気が重い。家の扉を開けたら重い空気が待ち構えているに違いない。

「パチンコは程々に、か・・・少しだけなら」

俺は現実逃避をした。



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